FXで利益が出た人も、そうでない人も(損失額を3年間繰り越せます!)、電子申告で所得税確定申告を提出しよう。
【確定申告書等作成コーナー】を使った具体的な書き方と、住民税を含めた節税のポイントをご紹介します。
まず基本の「2021年/令和3年分の確定申告」についてまとめると
【提出期限】
2022年2月16日(水)~2022年3月15日(火)まで
※還付申告は2月15日(火)以前でも提出可。申告書の作成自体は、先にしておくことができます。(通常は、翌年1月初旬に新しい様式が公開されます。)
【納付期限】
原則、申告期限と同じ2022年3月15日(火)が納付期限になりますが、3月15日までに振替納税依頼書を提出した場合、今年は4月21日(木)に引き落とされます。
【申告が必要な人】
会社員でもFXの所得が20万円以上の場合は確定申告が必要。
主婦や学生でもFXの所得が38万円を超える場合は確定申告が必要。
損失が出ている場合も、確定申告すれば3年間繰り越して利益と相殺できます。
【FXの所得の種類と税率】
FX(国内業者)による所得は、分離課税の雑所得にあたります。
給与所得等(総合課税)の金額とは別で計算され、所得金額に関わらず、税率は一律20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、地方税5%)
【FX確定申告で必要な提出書類】
- 申告書B
- 申告書第三表(分離課税用)
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
- 所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用) ※FX損失の繰越控除を使う場合
【申告時に必要な添付書類】
- 年間取引報告書(年間損益報告書)
- 給与所得の源泉徴収票 等
では、実際に私が今年作成した申告書を元に書き方をご紹介します。
ちなみに、2021年(令和3年分)の所得と控除は以下のようになっています。
- 給与所得(年調未済)
- 退職所得
- ソーシャルレンディングによる雑所得
- 上場株式等の配当所得(特定口座)/配当控除
- FXによる雑所得
- 社会保険料控除(国民年金、社会保険料・・・年調していないので)
- iDeCo
- 生命保険料控除
- 扶養控除
- 寄付金控除(ふるさと納税、認定NPO法人)
マイナンバーカードとカードリーダーを持っているので、今回はPCで作成しました。
スマホでも簡単に作成できるようになっています。
詳しくは国税庁の「令和3年分 確定申告特集」をご確認ください。
【確定申告書等作成コーナー】で新規作成
国税庁の【確定申告書等作成コーナー】にアクセスします。
提出方法を選んで進みます。
iPhone等スマートフォンでマイナンバーカードを読み取ったり、そのままスマホで申告データを作成送信することも可能です。
控除証明書はマイナポータルと連携して取り込みも可能
生命保険の控除証明書や、ふるさと納税の領収書データの受領等、マイナポータルと連携できるものが増えています。
連携せずに、各社からダウンロードしたxmlデータを後から取り込むこともできます。
もちろん、手入力も可能です。
所得の入力
総合課税の所得入力画面から、配当所得、給与所得等を入力します。
ソーシャルレンディングや、海外FX業者を利用しているFX,仮想通貨等は、総合課税の雑所得になります。
また証券会社等のキャンペーンでキャッシュバックされた分は、一時所得になります。
上場株式等の配当所得
上場株式等の配当所得等については、①総合課税で申告するか、②申告分離課税で申告するかを選択できます。
特定口座(源泉徴収あり)の場合は、すでに「申告分離課税」の税率20.315%が源泉徴収されており、③申告不要制度も(口座ごとに)選択可能です。
また、所得税と住民税で異なる「申告方法」を選択することも可能です。
確定申告をすると、通常、住民税の申告は不要で、その際の住民税の「申告方法」は所得税の「申告方法」と同じ方法で処理されます。したがって、所得税と住民税で別の「申告方法」を選択したい場合は、意識的に住民税の申告を行う必要があります。
税率、控除の有無を比較すると以下のようになります。
私のように、総合課税の所得額がたいしたことなく、株式の譲渡損失も発生していない場合は、
所得税は「総合課税」、住民税は「申告不要」にするのが一番お得だと思いますが、入力画面で切り替えて試算もできるので、試算して一番お得な方法で申告してください。
上場株式等の配当所得については、住民税も含めて、申告方法がいろいろ選択できるので、別でまとめました。
FX、株価指数CFDの所得
トラリピやトライオートFX、トライオートETF等、国内業者のFXやCFD取引は、分離課税の雑所得になります。
「先物取引に係る雑所得等」で入力します。
具体的な書き方は以下の通りです。
所得区分は「雑所得用」を選択します。
種類:「外国為替取引」←私は分かりやすいように会社別、種類別に入力しています。
決済の方法:「仕切」
あとは各社から出力できる年間取引報告書や期間取引報告書をもとに、収入金額を入力します。
トライオートETF等、株価指数CFDも同じように記載します。
他の欄は記載不要です。
キャッシュバック等の金額は含みません。注意書きを参考に、計算して入力してください。
控除額の入力
所得控除から入力します。
社会保険料や生命保険料控除等、支払額を入力すれば自動で控除額が計算されます。
iDeCoは支払額の全額が「小規模企業共済等掛金控除」になるので、節税効果が大きいです。
寄附金控除
今回は、すべて楽天市場でふるさと納税をしたので、証明書データ(xml)を取り込んでみました。
また、トライオートFXを運用しているインヴァスト証券では、「社会貢献ポイントプログラム」というのがあり、取引量に応じてポイントが貯まり、寄附金控除が受けられる認定NPO法人に寄付することができます。
それを使って、税額控除が受けられました。
寄附先の住所が、住所地の都道府県・市区町村にある場合は、住民税の控除も受けられる可能性があります。
認定NPO法人等または公益社団法人等(ふるさと納税を含む)に対する寄附金については、①寄附金控除(所得控除)の適用を受けるか、②寄附金特別控除(税額控除)の適用を受けるか、どちらか有利な方を選ぶことができます。
確定申告コーナーで入力すると、それぞれ自動で有利な方を選択、計算してくれます。
税額控除
配当控除
総合課税を選択した「上場株式等の配当所得等」について、課税所得金額に応じて、自動で配当控除額が計算されています。
寄附金等特別控除額も、所得控除で入力した寄附金額から自動計算されています。
結果の確認と住民税等の入力
納付する所得税額と、申告書の形式で全ての計算結果を確認できます。
もし間違いが見つかった場合は、それぞれの訂正ボタンから訂正入力画面に戻れます。
内容がよければ、次へ進みます。
住民税に関する事項の入力
FX所得分の住民税の徴収方法や、配当所得を住民税申告するかしないか等の設定を【住民税・事業税に関する事項】から行います。
住民税の徴収方法は、必ず「自分で納付」を選択します。給与以外の所得に係る住民税の納付書が、6月頃に届きます。
それも、所得税の基本一括払いと違って、納付期限4回分に分けてくれる親切さです。
上場株式等の配当所得があり、住民税では「申告不要制度」を選択したい場合は、令和3年分から、所得税の申告で設定できるようになりました。この画面で「申告不要ーはい」にすれば、別途住民税の申告は不要になります。
納税方法の選択と、印刷・送信で完了!
納税方法(振替納税・インターネットバンキング等を使った電子納税・クレジットカード納付・窓口納付)を選択し、最後に完成した申告書にマイナンバーカードで電子署名を付加して送信したら完了です!
一度提出した後も、期限内(3月15日)であれば、何度でも再送信可能です。
電子申告の場合、訂正があった場合、期限内に正しい申告書一式を再送信すれば、最後に提出したものが受け付けられます。
基本的に、国税庁のHPに載っている【確定申告書等作成コーナー入力マニュアル(PDF/27,364KB)】に沿った手順で記載していますが、申告に関しては、自己責任でお願いします♪